校長のつれづれ日記 Episode 42 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

校長のつれづれ日記

Episode 42 1年を振り返って!

 早いもので12月も下旬になり、今年も残すところあと僅かになりました。降雪が少なく、雪かきもあまりせず過ごすことができています。
 平成27年の世相を漢字一字で表す「今年の漢字」に『安』が選ばれました。主催する日本漢字能力検定協会によると、安全保障関連法案の審議で、与野党が対立。採決に国民の関心が高まった年。世界で頻発するテロ事件や異常気象など、人々を不安にさせた年。建築偽装問題やメーカーの不正が発覚し、暮らしの安全が揺らいだ。安心して下さいのフレーズが流行するなど人々が安心を求めた年。ということから投票が多かったということです。
 今回は、地域に明るさと安らぎを与えた天高生の活躍を振り返りたいと思います。
○ 生徒募集活動本格的に動き出す
 昨年から管内の中学校への説明会を始めましたが、今年は本校の生徒募集専属の地域おこし協力隊員の配置、島外からの入学生の受入体制の検討のための天売高校生徒募集推進協議会の立ち上げなど、本格的活動へと進みました。協力隊員として派遣された木内さんは町教委と連携し、札幌・旭川を中心に約200校の中学校訪問、次年度の生徒募集ポスター・パンフレット作成と獅子奮迅の活躍をしてくれました。多くの方が本校の教育活動に関心を寄せてくれ、全道・全国からの問い合わせは20件を越えました。
○ オープンスクール実施!
 生徒募集活動の一環として、7月に1泊2日の日程でオープンスクールを実施しました。学校説明、水産実習(ウニ缶)、観光船による海鳥観察、ウトウのナイトウォッチング等を行い、天売高校・天売島の魅力を体験してもらいました。実施において、多くの関係機関にご協力をいただき有り難うございました。本校に天売島に興味のある方は、来年も行いますので是非参加してください。
○ 土曜授業「天売学」2年目の成果
 郷土を愛する心の育成を目指しスタートした土曜授業は、2年目も地域の方々にご協力いただき充実したものとなりました。特に、同窓生によって行われた「天売の歴史」・「天売の産業(ホタテ漁)」・「天売の自然Ⅱ(観光船による海鳥の観察)」は、素晴らしい内容で新たな発見をすることができました。また、昨年に引き続き講師を務めていただいた天売海鳥研究室研究員・地域おこし協力隊員の方々の授業は、昨年をベースにより発展したものとなりました。お忙しい中、ご協力有り難うございました。
○ 生徒がテレビ生出演!
 HBCテレビ「今日ドキッ!」に、生徒4名が出演。仕事と学業の両立の大変さや島の魅力などを画面を通じて全道へ発信することができました。テレビを見た多くの方から励ましや問い合わせがありました。有り難うございました。また、グッチーさん、室谷さん、スタッフのみなさんお世話になりました。
○ 定通体連 全員全道大会へ出場
 本校には女子卓球と男女バドミントンのふたつの部活動があります。地区大会では、出場した全ての競技で優勝するなど上位を独占し、昨年度に引き続き全員が全道大会へ出場しました。全道大会では、あと一歩のところで全国への切符は手に入りませんでしたが、その活躍は素晴らしいものでした。
○ 生活体験発表大会 連続最優秀賞獲得
 3年生の坂本くんの「勇往邁進」という発表が、地区大会で最優秀賞に輝き、昨年度に引き続き本校生徒が全道大会へ出場しました。仕事と学業の両立の大変さ、島の活性化のために活動したいという思いを熱く伝えていました。
○ 水産クラブ研究発表大会 連続優良賞
 今年の研究テーマは、昨年の基礎研究をもとに「マリンバイオプラスチックⅡ」。実習での廃棄物で自然に還るプラスチックを研究しました。釣りに使われるワームをタコ皮のゼラチンから作成し、釣りによる市販品との比較、コンポストによる還元実験などを行い研究内容を検証し発表しました。まだ課題はありますが、次年度も引き続き研究を行い、素晴らしいものにしていく予定です。
○ 3年生全員進路決定!
 3年生2名の進路が決まり、ふたりとも志望どおりの道へ進むことができました。仕事が終わった後、授業が始まるまでの時間や放課後の時間を使い地道に準備を進めてきました。二人の努力と先生方の指導には頭が下がります。夢の扉に手を掛けることができた二人は、扉を開け一歩一歩しっかりと歩んでいって欲しいと思います。
 このような生徒たちの活躍が認められ、留萌管内教育実践表彰をいただくことになりました。生徒が少なくとも環境が素晴らしくなくともできることはあります。「今ここで頑張らずにいつ頑張る」の精神で、これからも努力を重ねていきますので、今年同様、ご協力をお願いします。


オープンスクール.JPGオープンスクール
天売学「観光船」.JPG天売学「観光船」
今日ドキッ!.jpg今日ドキッ!
定通体連.JPG定通体連
生活体験発表.JPG生活体験発表
水産クラブ.JPG水産クラブ

おまけの独り言

「おまけの独り言41」

 【おまけの独り言41】
 ○「世界一貧しい大統領」
 全校集会で、南米ウルグアイの第40代大統領で「世界で最も貧しい大統領」と言われたホセ・ムヒカさんの2012年国連「持続可能な開発会議」でのスピーチを紹介しました。そして、私たちもこの消費社会の中で生きています。私たちが正しいと信じている価値観が、見方を変えるとそうではないこともあります。皆さんには、様々な学習を通じて、世界の現状を知り考えて欲しいということです。自分だけ、天売だけ、日本だけでなく世界の人々が幸福になる道は何かを。という話をしました。
 彼のスピーチで私が最も印象に残った言葉は、「貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」というものです。「足ることを知る」という言葉がある日本だからできることがあるのではないでしょうか。
 今年一年、本校のWebページをご覧いただき、有り難うございました。これからも生徒の活躍、学校の取組、天売島の様子などをお伝えしていきます。
 来年もたわいのない独り言にお付き合いいただけますよう、宜しくお願いします。
それでは、皆様、よいお年をお迎えください。
【The soliloquy of the black rabbit of Teuri】

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