校長のつれづれ日記 Episode 13 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

校長のつれづれ日記

Episode 13 水産実習『鮭』

 11月も下旬になり、寒さも一層厳しくなり冬がすぐそこまできたようです。学校の窓にもビニールを貼って、冬に備えています。
 この時期を代表する味覚と言えば鮭。皆さんも、毎日のお弁当に入っていたのではないでしょうか。私の子どもの頃は、寒くなると家には新巻鮭があり、おかずには鮭の切り身を焼いたものが必ずありました。また、働くようになってからメジカや鮭児、トキシラズなどと呼ばれる鮭があることや、鮭のちゃんちゃん焼きや鮭の一本いずしなどの料理があることを知りました。
 今年度の水産実習も5月の赤がれいの燻製、6月のタコの燻製、7月のうにの缶詰、そして10月のスモークサーモン、11月の鮭チップで終了となりました。この水産実習は地域の基幹産業を体験的に学習する機会を設け、水産資源の有効利用とその加工技術の習得を図り、資源保護の重要性を認識させるために実施しています。以前にも書きましたが、普通科でありながら水産の科目を設置しているのは、地域からの漁業後継者の育成が強く望まれているからであり、併せて豊かな教養をを身につけることにより地域の将来を担う人材を育成するためです。
 今回は、鮭を使っての水産実習についてです。鮭を使っての実習は、スモークサーモン(鮭の燻製)と鮭チップ(鮭とば)、そして鮭缶です。鮭チップと鮭缶は隔年で実施しているため、今年は鮭チップの順番になります。 
 2つの鮭を使った実習の作業工程を簡単に説明します。まずは、10月に実施したスモークサーモンの作業工程から。スモークサーモンで使用する鮭はベニザケ(無頭15尾)です。まずは、鱗を取り除き、三枚におろします。注意するのはハラス部分の骨を薄くそぎ落とすこと。次に、洗浄し形を整えた鮭を14%の食塩水に1時間から1時間半つけ込み、水切りをして金網に並べ自然風乾します。その後、4日間風乾・燻乾を繰り返し、中骨を取り除き、整形して真空パックして完成です。次に、11月に実施した鮭チップの作業工程です。鮭チップで使用する鮭はシロザケ(有頭30尾)です。まず、鱗を取り除き、頭を落とし内臓を取ります。この時、血合いをきれいにすることがポイントです。そして三枚におろし、使用しない余分なハラスを取り、整形します。次に調味液を作り、樽に鮭を並べ24時間ほど漬け込みます。翌日から4日間風乾・燻乾を繰り返し、身を幅5㎝、厚さ5㎜にスライスし、もう一度燻乾し、真空パックして完成です。
 この実習においても、生徒たちは手際よく鱗や内臓を取り除き、三枚におろしていました。1メートルはありそうな鮭を見事に三枚におろしていく……本当に大したものです。スモークサーモンも鮭チップも味付けも素晴らしく、美味しく出来上がりました。今回、鮭の三枚おろしの指導役は、今年赴任したばかりの鈴木先生。タコの燻製の頃とは違い、マキリを上手に使い生徒に捌き方を教えていました。半年で、素晴らしい成長を見せてくれてました。今年、水産実習に参加し、地域の水産資源への関心、地域での加工品を作ることの大切さを教えられました。来年も本校の水産実習が漁協をはじめとする地域の関係機関の協力があって実施できることを忘れずに取り組んで行きたいと思います。ご協力いただいている地域の関係機関の方々に改めてお礼申し上げます。
 話は変わりますが、鮭チップ実習の11月12日(火)は、天売島は大雪で、この日、出張から帰った私を出迎えていたのは、腰まで積もった季節外れの雪でした。先生方も自分の家の雪かきはもちろん、当たり前のように水産実習小屋の雪かきもして実習の準備をしていました。このようなところにも本校の先生方の良さがあらわれていると思いました。冬は、校舎が雪で潰れないように屋根の雪下ろしもするそうです。

IMG_3814.JPG鮭の大きさを実感DSC00876.JPG生徒全員で鮭を捌きますDSC00890.JPG三枚におろしますIMG_3232.JPG捌き方指導IMG_3881.JPGさけちっぷ切り身IMG_3894.JPG燻製室へ運搬IMG_3822.JPG大雪のため除雪

おまけの独り言

名称未設定 1.jpg公益財団法人 日本学校保健会「北海道学校保健研究大会羽幌大会」に参加してきました。
 今大会は、「北の大地を生涯を通じて、心豊かにたくましく生きる子どもの育成を目指して」という主題で、PTA、学校医、薬剤師、教育関係者など200名以上が参加して行われました。開会式、学校保健功労者表彰に続き、「学校における感染症対策の在り方」を題に、大阪中津病院の安井良則臨床教育部副部長から、感染と感染症との違い、学校での感染症対策についてノロウイルス、インフルエンザ、風疹を個別に取り上げ説明していただきました。感染症による健康被害の発生を最小限にするため、校内で対応できるところを検討していきたいと思います。また、午後からは部会別研究協議が実施され、私は第3部会「安全管理・安全教育」の司会をさせていただきました。この部会では、提言として小平町の地域ぐるみの防災への取組と天塩高校が行っている学校安全への取組が発表され、参加者全員で望ましい安全管理・安全教育の在り方について協議することが出来ました。各校・各地域の話を聞くとこが出来、本校の活動に役立てたいと思います。
 話は変わりますが、前述の大雪の日のは大変で、島について1時間半、仕事が終わって1時間半、そして朝起きて2時間ほど雪かきをしました。もうその雪はすっかりと融けてしまいましたが、まだ筋肉痛は残っています。季節外れの大雪には本当に参りました。
 今回もたわいのない独り言にお付き合いいただき、ありがとうございました。

【The soliloquy of the black rabbit of Teuri】


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