校長のつれづれ日記 Episode 3 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

校長のつれづれ日記

Episode 3 島を愛する

 ゴールデンウィークになったというのに、ニュースでは記録的な寒さと道東の降雪を伝えていました。ここ天売でも同様に最高気温が一桁の日が続き、霙まで降る始末でした。しかし、この寒さの中でも観光シーズン突入と同時に、少しずつですがバードウオッチャーを始めとする観光客の姿も見られるようになってきました。
 本校では、毎年このゴールデンウィーク前後に島内清掃ボランティアを行っており、今年度は4月27日(土)と5月11日(土)の2回実施しました。1回目は、天売の小中高が連携した清掃ボランティアで「天売クリーン作戦」と呼ばれています。小中高の生徒・先生が5つの班に分かれ、フェリーターミナルから住宅街の清掃ボランティアを行うものです。高校生がリーダーとなり小中学生を指導しながらゴミ拾いをしました。集めたゴミを前に、リーダーが各班の活動状況を報告するとともに、次年度はもっと少なくなっていることを祈り終了しました。2回目は、高校だけで海鳥生息地域を中心に遠足を兼ねて実施しました。私は前日まで会議があったため、朝一番のフェリーで帰島し、途中で合流することができました。丁度、合流したのは、天売島で最も標高の高いところで、皆そこに登っているところでした。生徒にとっては子どもの頃から何度も訪れている場所ですが、そこから見える焼尻島や利尻富士の風景が最高で、この時期しか来られない場所であると教えてくれました。ゴミを拾う様子とともにそのような姿を見て、この子たちは自分たちの住むこの島を大切にし、心から愛しているといるのだと思いました。途中、地元の人や観光で訪れている方々から声を掛けていただき、気持ちも晴れやかにゴミ拾い兼遠足は無事に終了することが出来ました。さすがに住宅地から離れているため、ゴミの量は1回目の5分の1程度でしたが、生徒たちは天売を訪れる多くの人たちが気持ちよく過ごしてもらうためにも「ゴミゼロ」を目標に次年度も取り組みたいと話していました。
 羽幌町では、離島地域が抱える課題に対応するため、平成25年度から平成34年度までの10年間を目標年次とする「羽幌町離島振興計画」を策定しています。その基本構想の中で、「魅力ある漁業が営める島」「安心して暮らせる島」「人がやって来る島」の3つの柱を基本目標として定め、この実現のため基本計画の中で現況と課題、重点的な取組と方向性を明らかにしています。また、天売では前述の計画に沿う形で「天売島おらが島活性化会議」が、天売島だけでなく焼尻島も含めた活性化計画を様々な角度から検討しています。
 このようにこの島・この地域を愛し、これからもずっとここが人々に愛される場所であるよう、現実と真に向き合い努力している人たちがたくさんいます。本校としても、未来を担う生徒たちにこの動きを伝えるとともに地域の生涯学習センターとしての役割をしっかりと担っていきたいと思います。

DSC04946.JPG天売クリーン作戦DSC05050.JPG小中高校生で集めたゴミIMG_2763.JPG遠足より天売西側と後方に焼尻IMG_2776.JPG天売島活性化のための実施計画IMG_2779.JPG活性化のための3つの基本目標

おまけの独り言

IMG_9521.JPGウトウウォッチングimg1b622bdfzikbzj.jpgオロロン守り唄©JUNCO&CHEEP ゴールデンウィーク中に赤岩展望台へウトウのナイトウオッチングに出掛けてきました。風が強く非常に寒い中、三河ナンバーの先客と共に寒さに耐え、ウトウの帰りを待ちました。辺りが薄暗くなってきた頃、空を飛び交うウトウの大群が現れました。写真を撮っていると1台のワゴン車があらわれ観光客と案内をする民宿の方が到着しました。一緒に説明を聞いていると、なんとこのウトウの巣の辺りは昔、芋畑だったそうです。人が耕作をやめてからウトウが棲みついたとのことでした。想像のつかない話に驚きました。人間のことなど気にすることなく足下を走り回るウトウが、なんだか愛おしくなりました。
 話は変わりますが、「オロロン守り唄」という唄があるのをご存じでしょうか。千歳在住のJUNCO&CHEEPさんの唄で、洋梨の形をした卵をたった一つ岩場に直接産み、それをオス・メスの両親が交代で大切に守り育てると言うオロロン鳥の愛情溢れる姿をモチーフにして生まれた叙情豊かな作品です。是非聴いてみてほしい作品です。
 最後に、嬉しいことがあったので独り言を追加します。5月上旬の出張が終わり、校長室に戻ると机の上に1通の封筒が。昨年お世話になった保護者からでした。封を開けると中には、お子様の頑張っている様子と、私の離島生活を気遣う内容が綴られていました。ほんの一時期お手伝いをさせていただいた私のような者のことを気に掛けていただいたことを本当に嬉しく思いました。
 教師をやっていて、このようなことがあると嬉しく、そして励みになります。

【The soliloquy of the black rabbit of Teuri】

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