校長のつれづれ日記 Episode 5 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

校長のつれづれ日記

Episode 5 完成!タコ燻

 夏らしい日差しが感じられ、窓を開ける機会が増えてきました。ウトウも雛のためにイカナゴ(幼魚)などを持ち帰るようになってきたようです。
 今回は、本校で行っている水産実習についてです。水産実習が始まったのは昭和38年からで、校舎落成と同時に水産実習室、燻製室が作られました。漁業・水産業後継者の育成は勿論のこと、地域の基幹産業である漁業や水産業に関する知識を学ぶだけではなく、水産物の高度利用や加工の必要性、及び資源保護の重要性を認識させる教育を、地元関係者の協力のもと実施しています。現在は、昭和46年に作られた水産実習室兼天売共同作業所を大切に使いながら行っています。
 現在、実施しているのは、赤がれい(5月)・タコ(6月)・さけ(10月)の燻製、うに(7月)の缶詰製造などです。年によっては、さけの缶詰やサケチップも製造しています。これらの多くは、9月に行われる学校祭で地域の方に試食していただいています。
 今年最初に実施した5月の赤がれい燻製実習は、出張と重なり参加することが出来ず、非常に残念でした。しかし、今回のタコの燻製実習には、なんとか参加することができました。
 タコの燻製には、管内で獲れたミズダコの頭を使用しています。その量は、何と100㎏以上。作業行程を簡単に説明します。まずは、はく皮。つまりタコの皮の剥ぎ取りです。最初のうちは気持ちよく出来ますが、だんだんと指が疲れてきてしまいます。第2段階は、タコの頭を開きます。マキリと呼ばれる包丁を使い、約120°まで切り開いていきます。第3段階は、水管除去。タコの口が付いている部分を水管ごときれいに取り除きます。もちろん、水管の柔らかい部分は、燻製に使用します。第4段階は、ぬめりとり。マキリの裏でぬめりを丁寧にとります。これは、ぬめりがあると燻製にしたとき煙が染みにくく、乾きが遅くなってしまうためです。これがなかなか大変で、集中力を要する作業です。5段階目は、細切り。親指の大きさくらいに切り揃えます。大きさが違うと乾き方に差が出るので慎重に作業をしなければ成りません。そして、第6段階の味付け。樽にタコをならべ砂糖・塩・グルタミン酸・みりんで味付けし、漬けていきます(みりんは、担当者のこだわりで本みりんを使用しています。ちなみに調味料の配合は、秘密です)。これで1日目の作業は終了です。その後、乾燥と燻煙をし、10日間ぐらいで美味しいタコの燻製が完成しました。私が、実際に行ったのは第5段階までです。生徒たちは、慣れた手つきではく皮→開き→水管除去→ぬめりとり→細切りを手際よく行っていました。いま、魚を捌けない大人も多いのに……本当に大したものです。また、味付けも素晴らしく、美味しいタコの燻製が出来上がりました。今回実習に参加し、地域で獲れたものを使って製造することにより、地域の水産資源への関心、地域での加工品製作の必要性などを学ぶことの大切さを考えさせられました。今後も本校に設けられている水産実習が地域に対して担っているものを忘れずに取り組んで行きたいと思います。また、いつもご協力いただいている漁協をはじめとする地域の関係機関に心よりお礼申し上げます。
 次回は、7月にウニの缶詰製造の実習が予定されています。ウニ好きの私としては、キタムラサキウニと会えることが今から非常に楽しみです。

DSC05557.JPGはく皮DSC05578.JPG頭を捌くDSC05497.JPG水管除去などDSC05498.JPG頭を切りそろえますDSC05599.JPG調味液作りDSC05674.JPG燻乾・風乾前

おまけの独り言

51OSbnuDZ+L__AA300_.jpg岩田松雄氏の著書41zvNgiOi-L__AA278_PIkin4,BottomRight,-45,22_AA300_SH20_OU09_.jpgミレニアム  今回は、ある事情があり、まとまったゆっくりと過ごすことができる時間がとれましたので、いただいた本をゆっくりと読むことができました。ひとつは、元スターバックスコーヒージャパン株式会社CEOの岩田松雄氏の著書で、岩田さんがどのようにリーダーとなり、どのように考えて行動したかが書かれていました。私は、その中の「使い捨てられる安全カミソリにはなるな」という言葉に考えさせられました。他は、世界的なベストセラーですでに映画にもなっている「ミレニアム…」です。作者に失礼かも知れませんが、素直に面白かった。知らず知らずのうちに物語の中に引き込まれていった感じがしました。いくつもの線が最後にはひとつになり、気持ちがスカッとするのと同時に次に繋がる何かもどかしさを残してストーリーが終了しました。話は岩田氏の著書に戻りますが、その中に「ときどき心を揺さぶり、感性を高めることが必要である」とありました。これからも本や映画、そして音楽などと触れることで感性を高めていければと思います。
 ミレニアムは3部作なので、美味しいタコの燻製を味わいながらまた読みたいと思います。では、今回もたわいのない独り言にお付き合いいただきありがとうございました。

【The soliloquy of the black rabbit of Teuri】

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田尻勝敏校長のコラム

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