後期終業式挨拶 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

校長「後期終業式挨拶」

 冬も足早に去り、春の訪れを告げる木々の芽吹きが感じられるようになりました。

 今年度は入学生がおらず、生徒数が半減したため活動が停滞してしまうのではという不安を抱きながら全校生徒4名でスタートを切りました。しかし、私の心配をよそに学業と仕事、そして部活動を両立し、授業はもとより様々な学校行事やボランティア活動への取組は素晴らしいものでした。その活動の一部を振り返ってみたいと思います。
 今年度から本格的に動き出した生徒募集活動の一環として7月に1泊2日の日程で実施したオープンスクールでは、学校説明、水産実習(ウニ缶)、観光船による海鳥観察、ウトウのナイトウォッチング等を行いました。皆さんは、休み返上で参加者の誘導や水産実習、学校の説明等を行い天売高校・天売島の魅力を伝えてくれました。一番の魅力は、皆さんの生き生きと活動する姿だったと思います。
 2年目に入った土曜授業「天売学」は、今年も地域の方々にご協力いただき充実したものとなりました。特に、「天売の歴史」・「天売の産業(ホタテ漁)」・「天売の自然Ⅱ(観光船による海鳥の観察)」は、素晴らしい内容で新たな発見をすることができ、郷土を愛する心の育成という目的を果たすことができました。
 水産クラブ研究発表大会では、昨年の基礎研究を引継ぎ「マリンバイオプラスチックⅡ」をテーマに、釣りに使われるワームをタコ皮のゼラチンから作成し、釣りによる市販品との比較、コンポストによる還元実験などを行った研究内容を発表し2年連続の優良賞を受賞しました。
 生活体験発表大会では、地区大会で最優秀賞に輝き、昨年度に引き続き全道大会へ出場しました。
 定時制通信制体育大会では、地区大会において出場した全ての競技で優勝するなど上位を独占し、昨年度に引き続き全員が全道大会へ出場しました。
 また、HBCテレビ「今日ドキッ!」に、生徒4名が出演し、仕事と学業の両立の大変さや島の魅力などを画面を通じて全道へ発信することができました。
 人数が半減した中で、一人ひとりがその役割を理解し、素晴らしい活躍をしてくれました。
 そして、心温まる卒業式。本当に素晴らしい活躍でした。

 また、今年、皆さんには全校集会を通じて
 ・4月の始業式には、渋沢栄一さんの「幸福を求むる者は夢なかるべからず」について
 ・夏休み前には、岡本太郎さんの「人間にとって成功とはいったいなんだろう」について
 ・前期終業式には、「叶う」について
 ・後期始業式には、「磨斧作針」について
 ・冬休み前には、ホセ・ムヒカさんの持続可能な開発会議でのスピーチについて
 ・冬休み明けには、時間軸のとらえ方について
 という話をしてきました。

 平成27年度終業式にあたり、次の話をします。
 相田みつをさんの「道」です。
 「道はじぶんでつくる 道は自分でひらく 人のつくったものは じぶんの道にはならない」というもので、私が仕事をしていく上で大切にしているものです。
 高校生活も後1年となり、半年後には進路を決定させなければならない時期にきています。自分の足元を見つめ直し、今やるべきことは何なのか。足りないところはどこなのか。しっかり考えて欲しい。そして自分の進むべき「道」を探して欲しい。他人に押しつけられたものでなく自分で考え選択した道に進んで欲しいと思います。
 ここから、また素晴らしい高校生活を創り上げるために先生方と一丸となって頑張ってください。

 今日の終業式を次年度へ向けてのスタートとして歩み出しましょう。
 以上、平成27年度終業式の話とします。

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