校長のつれづれ日記 Episode 1 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

校長のつれづれ日記

Episode 1 出会い

 天売高校に赴任し半月が過ぎ、私の居る部屋から見える水面も穏やかになり、対岸の町がはっきりと見える日も増えてきました。
 これから不定期ではありますが、学校の出来事や島の様子、そして個人的に感じたことなどつれづれなるままに綴っていきますので、宜しくお願いします。

 今年赴任したのは私と私の半分ほどの年齢の新進気鋭のS教諭の二人、羽幌からのフェリーに揺られ(結構揺れはきつく、S教諭は具合を悪くしていたようですが)天売に着いたときはフェリーターミナルで多くの人たちに出迎えていただきました。ただただ感謝です。「あなたを待っていました。一緒に頑張りましょう」や「歓迎○○先生」の横断幕。これから頑張るぞという気持ちとその責任の重さで身が引き締まりました。

 例年になく雪が多かったこともあり、学校の周りは残雪で一杯でした。私とほぼ同い年の校舎は、冬の雪の重みに耐え、寒さに凍えているようにも見えました。確かに老朽化が進みあちこちガタがきており、お世辞にもきれい・立派とは言えませんが、きちっと修繕され、大切に使われてきているのが手に取るようにわかり、今までの生徒・教職員の気持ちが伝わってきました。個人的には体育館で怪我をしないかが気に掛かってしまうのですが……。

 9日(火)は、本校59回目の入学式。入学生は2名でしたが、地域の方々が数多くお祝いに駆けつけてくれ、温かい式にしていただきました。このような地域で連携した行事も多いため新入生と先生も在校生も知り合いで、緊張感はあるかと少し心配しましたが(余計なことまで気に掛かってしまうのが悪い癖ですが)節度を保ち、しっかりと入学式という行事に臨んでくれました。式が終わっての記念撮影になると、先生たちと打ち解けて話す姿を見て、けじめをつけているんだなと感じました。教員生活27年、こんなに家族的で温かな入学式は初めてでした。改めて、ここに勤務できることに感謝。
 入学式の夜、振興会や同窓会の方々と話をする機会があり、私が「人数が少ない中、よく頑張っていますね」と問いかけると、皆さんから「いやいや、この子たちは小さな頃からこれが当たり前で生活しているんだから、大変だなんて思っていないさ」と。自分の価値観で勝手に人数が少ないことをハンデと思っていたことを反省。少ないからこそ一人一人の可能性を数多く引き出せる場面を多く作れるのだと考えさせられました。
 10日(水)は、対面式。「何をするのかな」と少々不安に思っていたのですが、2年生の4名がしっかりと準備をしていました。自己紹介のあとは、クイズ。盛り上がりました。その後は、バスケットボール。先生方も入ってゲームです。(もちろん私もジャージに着替え1クオーターだけ参加しました。)すごく上手で「黒子のバスケ」ばりの3ポイントを決める生徒もいて驚きました。最後は、みんなで仲良くシュークリーム(負けたチームにはちょっと辛いのもあったけれど)を食べて終了。準備を頑張った2年生のみんなありがとう。

 新入生2名を加え、平成25年度天高は、さらにぐっと明るく活気が出てきたようです。3年生はいませんが、みんなでスクラム組んでこの学校を作っていってくれる。人数は少ないけれど頼りになる。少数精鋭とはよく言ったものです。この6名の強者どもがどのように活躍し、成長していくか、本当に楽しみです。 
 生徒との出会い、先生方との出会い、地域に方々との出会い、同世代の校舎との出会い。出会ってまだ半月足らずなのに、すごく居心地がいい。よい出会いは心を穏やかにしてくれます。この出会いを大切にしていきたいです。

IMG_8904.JPGフェリー出迎えIMG_8908.JPG横断幕アップIMG_8228.JPG体育館床の隆起DSC04243.JPG入学式DSC04231.JPG新入生は2名DSC04379.JPG対面式(レク)DSC04401.JPG対面式(バスケットボール)

おまけの独り言

天売島_0044.JPGウミウの群れ天売島_0250.JPGウトウの帰巣が始まっています先日、天気が良く家の中にいてもぽかぽかしていたので、赤岩展望台まで散歩をしてみました。外に出ると風が強く、高速船が欠航したのが頷けました。途中マラソン中の野球少年に追い越され、やっとのことで展望台へたどり着くと、一面にウトウの巣穴があり、さすが「百万の海鳥が風をつかむ島」といわれると感心させられました。ここにウトウが入り、営む姿はきっと壮観だろうし、きっと見入ってしまうのでは。はやく海鳥が見られる時期にならないか、待ち遠しいです。ここで見られる海鳥は、ウミガラス、ケイマフリ、ウトウ、ウミスズメ、ヒメウ、ウミウ、ウミネコ、オオセグロカモメの8種類で、非常に個体数の少ないものもあります。ちなみにウミガラスは別名オロロン鳥と呼ばれ、昨年度の飛来数は最大32羽だそうです(巨大なオロロン鳥は、季節を問わずフェリーターミナルで出迎えてくれます)。蛇足ですが、ゴマちゃんことゴマフアザラシもたくさんいるそうです。これから観光シーズンに入り、多くの方々に本島を訪れていただけることを期待しています。来島の際は、本校にも立ち寄り校舎も是非見てください。私は次回、少し足を伸ばし海鳥観察舎へ行き、屏風岩や女郎子岩などの奇岩を見てきます。
 これからもわいのない独り言にお付き合いください。

【The soliloquy of the black rabbit of Teuri】


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