校長のつれづれ日記 Episode 16 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

校長のつれづれ日記

Episode 16 春

 暦の上では2月も終わり春を迎えましたが、ここ天売は相変わらず厳しい寒さが続いています。2月に入り、あまり荒天の日はみられなかったのですが、先日の羽幌出張の際にはフェリーが3日間も欠航してしまいました。3月は、月の半分が欠航した昨年のようにならないことを祈りるばかりです。
 さて、平成25年度、創立59年目の天売高校は、卒業生のいない春を迎えます。以前にも書きましたが、今年度は1年生2名、2年生4名、全校生徒6名であるため卒業学年である3年生の在籍がありません。春は、出会いと別れの季節。逞しく成長し巣立っていくその姿に目を細め、新たなひな鳥たちが緊張した面持ちで入学してくるを当たり前のこととして30年近く教員生活を送ってきましたが、卒業生がいないこの季節というのは初めてのことです。会議で卒業証書授与式の計画が出されない。2月下旬の予選会や式予行がない。まして、3月1日がぽっかり空いてしまう。なんだか不思議な感じがします。ただ、そのような中でも、生徒たちは自分たちの将来を見据え、今しかできないことにチャレンジし、出会いの春に向け準備をしています。今年度は、それぞれが各種資格取得検定を受け成果をあげています。ビジネス文書実務検定では、6名全員が2級を取得しています。1年生で1級速度に部門合格をした生徒までいます。また、情報処理検定3級を3名、簿記事務検定3級を1名、実用英語検定3級を1名が取得しています。生徒たちは仕事と学業と部活動を鼎立させることを目標に努力をしており、先生方も決して生徒を甘やかさず目標に向け後押しを続けています。この冬期休業中も講習を実施し、しっかりと道筋をつけてくれました。
 また、この2月にうれしい知らせがありました。それは昨年度の北海道高等学校水産クラブ研究発表大会で優良賞を受賞した「ナマコハンドクリーム」が、ついに製品化され販売されることになったのです。ナマコは天売島の特産品です。漁の際に網の中で石などと接触し傷ついてしまったナマコを有効活用し、島限定の土産品として売り出し、島を活性化させたいという思いから試作されました。この活動を見て、商品化に乗り出したのが札幌に本社を置く「株式会社ワンダードック」です。本校の研究成果を元に愛犬用「NAMARA!クリーム」として商品化されました。このクリームは、札幌商工会議所が優れた商品だけに認める「北のブランド 2014」に承認され、そのカタログの中で〈天売高等学校が開発したナマコハンドクリームを犬の肉球用にアレンジしたものを札幌の人間用化粧品メーカーに製造委託しているというこだわりの商品。〉と紹介されています。また、その容器には、「北海道天売島産ナマコエキス配合」と記されており、高校のみならず天売島のPRに貢献できたことをうれしく思います。是非、愛犬家の皆様に使用していただければと思います。
 話は変わりますが、今年赴任した鈴木教諭が、生徒に素敵なプレゼントをしてくれました。それは2月14日のバレンタインデーの日に雪の上にピンク色のハート♡を描き、その周りをアイスキャンドルで囲み、明るい雰囲気を醸し出しての生徒の登校の出迎えでした。生徒たちは、喜んで写真を撮り、帰りには全員そろって記念撮影をしました。ちょっとした気遣いで、みんなの気持が穏やかになり、寒い中でもキャンドルの灯がとても暖かく感じられました。



平成25年度検定取得状況

全商ビジネス文書実務検定

  • 1級 1名(速度部門)
  • 2級 6名 
  • 3級 2名 

※全校生徒6名2級取得

全商情報処理検定

  • 3級 3名

※全校生徒6名3級取得

全商簿記実務検定

  • 3級 1名

実用英語検定

  • 3級 1名

IMGのコピー.jpg㈱ワンダードックより天売高校開発ナマコハンドクリーム商品化©札幌商工会議所  北のブランド2014カタログより抜粋

DSCF0234.JPGアイスキャンドル

おまけの独り言

インフェルノ

61Tcnl51rJL__SL500_AA300_.jpgインフェルノ©ダン・ブラウン ダン・ブラウンの待望の新作「インフェルノ」。ダン・ブラウンといえば、「ダ・ヴィンチ・コード」の作者として有名で、皆さんもご存じだと思います。主人公は、お馴染みハーバード大学教授のローバート・ラングドン。ダンテの神曲「地獄編」に秘められた暗号を解読するために奔走する彼を、次々と危機が襲う。期待を裏切らない、謎と驚きのストーリー展開で楽しませてくれました。皆さんも高校時代に世界史でルネサンスを習ったことを覚えているのではないでしょうか。ダンテは、13世紀から14世紀にかけての イタリアの詩人です。神曲は、当時ラテン語で書かれることが当たり前であった時代にトスカーナ方言で著されていることが特徴で、彼がルネッサンス先駆者と言われるゆえんでもあります。神曲は、地獄篇、煉獄篇、天国篇の三部からなり、地獄と煉獄はローマ最大の詩人ウェルギリウスに導かれ、天国はベアトリーチェに導かれ、これらの場所を旅していく物語です。来年には映画化されるとのこと、皆さんも機会があれば是非どうぞ。
 今回もたわいのない独り言にお付き合いいただき、ありがとうございました。

【The soliloquy of the black rabbit of Teuri】


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