校長のつれづれ日記 Episode 9 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

校長のつれづれ日記

Episode 9  ボランティア

 夏休みも終わり、校舎に生徒の元気な姿と声が戻ってきました。夏の猛暑が去るとともに、観光客の数も疎らになり秋の気配がすぐそこまで来ているようです。羽幌と天売を結ぶ連絡船も9月1日からは1日2便(フェリーのみ)となり、少し寂しさを感じてしまいます。
 今回は、天高生のボランティア活動についてです。本校では、身近な地域の環境保全に対して、生徒自ら主体的に行動することで、郷土を愛する心や奉仕の精神を養うことや地域の社会事業に参画し、地域の活性化に貢献することを目的にボランティア活動を推進しています。このボランティア活動は、観光地である赤岩展望台清掃、島内を花で飾り付けたプランター作業、島の人たちの健康増進のために行われる体協バドミントン大会やミニバレーボール大会における準備・運営・片付けなどがあり、羽幌町天売支所や天売体育協会が仲介しています。ほとんどの生徒がこのボランティア活動に自主的に参加しています。

 今回紹介するボランティア活動は、「赤岩展望台の清掃」です。赤岩展望台は、海から直立した48mの垂直岩である赤岩を望むことが出来る展望台で、周りには約60万羽といわれるウトウが作った世界最大級のコロニーがあります。5~7月の繁殖期は、雛鳥のためにコウナゴなどのエサを加えた親鳥が、夕暮れとともに帰巣する風景を観察するため、多くの観光客が訪れます。清掃は、観光客が疎らになったこの時期に行っています。スコップ・ブラシ・雑巾などの道具や水を学校から持参し、展望台の階段を埋めているウトウが巣穴を掘ったときの土をスコップで取り除き、テラスになっている部分をデッキブラシで磨き、手すりに付いたひとつひとつの汚れを雑巾で取ります。生徒たちは、長期休業前の大掃除と同様、ひとつひとつの作業を丁寧に行い綺麗に磨き上げています。雨が降ってきても暗くなっても全て終わるまで一生懸命に磨いていました。いつもながらこの姿には本当に感心させられます。

 本校では学校外の学修による単位認定を行っており、技能審査の成果に関する単位認定に加え、ボランティア活動に関する単位認定も実施しています。以前Episode 2で紹介したように、生徒の多様なニーズに応えるため定時制本来の4修制に加え、3修制を採用しており、3修制「一般コース」に在籍する生徒(現在在籍する全生徒)は、最低2単位修得する必要があります。このように書くと卒業に必要な単位取得のため、ボランティア活動を行っていると思われますが、生徒たちは、資格取得により2単位を修得しており、そんなことは全く関係なく、純粋に奉仕活動へ取り組んでいます。
 仕事終わりの明るい笑顔での登校の様子、そして自分のためでなく他人のために行動できる姿、これこそ天高生の素晴らしいところだと改めて感じました。

 現在は、9月14日(土)・15日(日)の天高祭に向け、生徒・先生一丸となって取り組んでいます。多くの方の来校をホスピタリティ溢れる生徒たちがお待ちしております。

IMG_0692.JPG天売島・赤岩IMG_1420.JPG手すりの拭き掃除IMG_1437.JPG水は学校から汲んできますIMG_1423.JPG土の除去IMG_1431.JPG階段に溜まる土の除去IMG_1447.JPG展望台清掃

おまけの独り言

1_1.jpgboox_bk-4087714926.jpg 私の夏休みは、有効に時間を使って読書三昧!
今年の一押しのドラマは「半沢直樹」。ご多分に漏れず私も毎週欠かさず見ています(録画をして2度見るときも)。そんな訳で池井戸潤さんの「オレたちバブル入行組」、「オレたち花のバブル組」、「ロスジェネの逆襲」を読んでみました。すでにドラマでファンになっていたので、物語の中に引き込まれあっという間に読んでしまいました。ついつい半沢を応援するのはもちろん、渡真利や近藤にまでも声援を送ってしまいました。
 次に、以前勤務していた学校の卒業生(私が勤務したときはすでに卒業していましたが)ということもあり、直木賞を受賞した桜木紫乃さんの「ホテルローヤル」を読んでみました。このホテルに絡んだ7編の物語がリンクしており、切なくて虚しいけど、最後になんだか納得してしまう……。「星を見ていた」には、考えさせられました。
 そして、大泉洋さんの「大泉エッセイ」。私は彼の大ファンなのでもちろん、皆さんも好きなら理屈抜きに読むべきでしょう。
 話は変わりますが、この夏に2人の方が訪ねてきてくれました。ひとりは、以前勤務した学校の先生で、突然思い立ち夫婦で来たそうです。忙しい毎日を過ごしているとみえて疲れた顔をしていました。食事をしながら仕事のこと生徒のことを話し、楽しいひとときを過ごすことが出来ました。もうひとりは、保護者の方で、仕事の関係で近くまで来たということで声を掛けていただきました。私も出掛ける都合があり島外でお会いしましたが、お子さんのことや学校のことなどたくさんお話しをすることができました。わざわざ声を掛けていただき本当に嬉しく思います。改めて、人との出会いの大切さを感じ、そのやさしさに感謝です。
 今回もたわいのない独り言にお付き合いいただき、ありがとうございました。

【The soliloquy of the black rabbit of Teuri】


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