校長のつれづれ日記 Episode 17 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

校長のつれづれ日記

Episode 17 59年目の天売高校にて

 この3月は、穏やかな日が続き雪解けも進み、そこまで来ている春の息吹が聞こえてきそうです。
 全道で唯一の町立夜間定時制普通科の学校である天売高校は、羽幌町立の高等学校として、「社会の変化や地域の期待に応え得る、次代を担う有能な人を育む」ことを教育目標に地域の皆様のご支援を受け、特色ある教育活動を展開しています。地域の水産資源を活用した水産実習、地域の方々とともに実施している各種行事、一部科目履修や学校開放講座などの取り組みは、道教委の教育行政執行方針の重点施策である「信頼される学校づくりの推進」「北海道らしい生涯学習社会の実現」、そして羽幌町教育目標である「高い理想をもち、生きがいを求めて学び続ける人」「ふるさとを愛し、平和な国際社会につくす人」の具現化に向けたものであると考え、次年度以降も継続し、地域の学校として特色ある教育活動に邁進して参ります。 
 さて、昨年4月に天売高校に赴任してから早いもので1年が過ぎようとしています。私にとって9校目の勤務地である天売で、「水産実習」・「定時制・通信制体育連盟」・「生活体験発表大会」・「添乗員のいない見学旅行」・「水産クラブ発表大会」などこの1年に多くの体験をしました。水産実習は、タコやさけの燻製、うに缶詰の作成を生徒とともに行いました。うに剥きや鮭の三枚おろしなど大変な作業もありますが、出来上がった製品を楽しみしている地域の方々のためにも続けていきたいと思っています。定時制高校の取組みである定時制・通信制体育連盟大会や生活体験発表大会では、他の全日制の高校にはない、働きながら学校に通う生徒たちの汗と涙、そして熱意が感じられました。定時制高校の減少により本校は空知支部に所属し、5校で地区大会が行われています。参加する学校・生徒は少ないですが、試合の白熱や応援は全日制の大会には負けていません。生徒たちの活躍の場がさらに広がるように努めていきたいと思います。水産クラブ発表大会には、本校が水産実習を実施している関係で参加させてもらっています。天売島の活性化を図るための地域の素材を使った取組みを研究し、発表しています。研究成果が商品化されるなど、嬉しい話題もありますので、今後も島の高校としての役割を果たせるよう努めていきます。
 また、先生方は「確かな学力」を育むため「わかる授業」の実践に向け創意工夫を重ね、教科間における意見・情報交換を図りながら、一人一人を大切にして創意工夫を凝らし教科指導力を高めています。さらに、資格取得に向けた取組みを通じ、学習意欲の向上、進路意識の高揚も図っています。
 平成26年度に創立60周年を迎える天売高校は、「天売でしかできない教育の実践と郷土愛にあふれる人材育成」を新スローガンに新たな取組を始め魅力あふれる高校づくりを進めます。今まで同様、皆様のご支援とご協力をよろしくお願いします。

IMG_0775.JPG水産実習(ウニ缶)IMG_9475.JPG定体連(バドミントン)IMG_9488.JPG定体連(卓球)DSC00834.JPG生活体験発表大会DSC00077.JPG見学旅行IMG_3466.JPG水産クラブ(タラシュウマイづくり)

おまけの独り言

ありがとう

IMG_5455.JPG離任式の様子 この春の人事異動で、天売高校を支えてくれた教頭先生・堀井先生・三宅先生の3名が転出することとなりました。
 教頭先生には、地域と先生方を繋ぎ、「地域の信頼される学校」として屋台骨を背負ってもらいました。定時制であるにもかかわらず朝早くからの勤務、地域に溶け込み祭典やうに祭りをはじめとする地域の行事に率先して取り組む姿は、他の先生に天売の教師の在り方を示すものでした。
 堀井先生と三宅先生は、本校では貴重な他校経験のある先生で、授業への取組や生徒との関わり方は、若い先生のお手本となるものでした。二人とも地域の教育に熱心であり、一部科目履修や学校開放講座などを実施し、島の先生として5年間・6年間と本校では珍しく長い期間勤務していただきました。
 新任地でも、その実力を遺憾なく発揮され活躍してほしいと思います。
 3本の太い柱が外れ、不安でいっぱいですが、残った私たち一人ひとりが太い柱となり、創立60周年である節目の年をしっかりと努めることが、いままで頑張っていただいた先生方の苦労に報いるただ一つの道だと考えます。
 3人の先生方、本当にありがとうございました。
 今回もたわいのない独り言にお付き合いいただき、ありがとうございました。

【The soliloquy of the black rabbit of Teuri】


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