校長のつれづれ日記 Episode 6 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

校長のつれづれ日記

Episode 6 京都・東京 小さな学校の見学旅行

 ようやく天売でも違和感なくクールビズで仕事ができる季節となりました。心地よい風は、気持ちも晴れやかにしてくれます。
今回は、見学旅行についてです。見学旅行は、あまり旅行をすることがなかった時代に学業の仕上げに、遠く離れた地で見聞を広め社会人としての基礎固めに行われていたものだといわれています。現在では内容・規模も変化し、体験的要素を取り入れた計画も増えてきていますが、見聞を広め社会人としての基礎を固めるということは変わらないと思います。
 35年前の私の見学旅行は、ひたすら汽車と連絡船、そして寝台列車に揺られ、ようやく京都に辿り着き、奈良を含めた神社・仏閣を廻るものでした。三十三間堂の荘厳さや奈良の大仏の巨大さに驚き、薬師寺のお坊さんの話に大笑いした思い出があります。そうそう、奈良の旅館ではラジオ体操したことも忘れられない思い出です。
 小さな学校である本校の見学旅行は、他校とはちょっと違っています。まず、実施時期が6月下旬だということ。これはフェリーが欠航することが少ない時期を選んでいるからです。ただ、この時期は梅雨や台風の時期と重なり、雨にあたることも多いですが。つぎに、宿泊研修と隔年で実施していること。生徒数が少ないので、他校のように1年生で宿泊研修、2年生で見学旅行とはならず、その時々の生徒数などを考慮して実施しているのです(ちなみに昨年度は宿泊研修を全校生徒で実施しました)。
 それでは、様子を簡単に……(文中の~は船、ーはバス、=は飛行機、…はJRを示します。)
○1日目:6月21日(金):天売~羽幌ー千歳=神戸…京都
 多少肌寒い中、多くの保護者の方々の見送りを受け、高速船で出発。羽幌からは、ジャンボタクシーで千歳へ。搭乗する飛行機の到着が遅れ神戸に着くのが予定よりかなり遅れてしまいました。その後は、ポートライナーとJRを乗り継いで京都へ無事到着。
○2日目:22日(土):京都班別自主研修
 朝からうだるような暑さの中、生徒たちは嵐山班と金銀班に分かれ予定よりも早く出発。計画どおり、金閣寺や南禅寺、嵐山散策などを行い、昼食には京都の名物でもある湯豆腐定食を堪能。最後は、新京極でお土産を買い戻ってきました。
○3日目:23日(日):清水方面散策 京都=東京 東京はとバス観光
 午前中に清水寺・八坂神社・祇園・四条を見学し、新幹線で東京へ。途中、少しだけ見えた富士山に感激。東京では、はとバス「ベストビュードライブスカイツリー」。2階建てバスで車窓から観光名所を見学。東京・そして明日がTDLということもあり、みんなのギアはハイトップへ。
○4日目:24日(月):TDL
担任のT教諭を先頭にみんなでキャラクターのキャップを被り、楽しい1日を過ごしていました。ただ、30周年に加えて、この日から七夕が始まり、月曜日なのにものすごく込んでいました。アトラクションの1時間待ちや2時間待ちなどでかなり疲れたようですが、スプラッシュマウンテンやビッグサンダーマウンテンに乗り、満足していたようです。帰りには、今度はTDSに行ってみたいという声も聞かれました。
○5日目:25日(火):東京自主研修 羽田=千歳=札幌
 午前中は、自主研修で原宿・秋葉原やお台場を巡ったそうです。途中、ゲリラ豪雨がありちょっと心配しましたが、全く影響されずに買い物を楽しんだようです。集合場所の丸の内北口からは、山手線とモノレールで羽田空港へ。ポケモンジェットに乗り、千歳へ。
○6日目:26日(水):札幌ー羽幌~天売
 札幌駅北口にあるホテルを朝出発し、沿岸バスで羽幌へ向かい、乗り慣れたフェリーで帰島しました。ターミナルには、多くの保護者の方々が出迎えてくれていました。解散式で、一人ひとり感想を述べて全ての行程が終了しました。
 今回は、教職に就いてから9回目の引率になりましたが、生徒が4名と少なく添乗員もいない初めての見学旅行でした。担任のT教諭、副担任のH教諭は、自主研修を含めすべての行程で生徒と一緒に行動し、添乗員さんとガイドさんの役割も果たしていました。生徒たちは、普段と同様に互いに気遣いながら行動し、しっかりと状況に応じて行動していました。こんなところに本校の日常の教育活動の成果が現れていると感じさせてくれました。また、卒業生もわざわざ訪ねてきてくれ、学校で待っている先生方へとお土産まで持ってきてくれました。母校愛を感じさせられました。帰島したときの生徒たちの様子を見ると、楽しい旅行が終わってしまったという寂しさと帰ってきたという嬉しさが入り交じった様子でした。それとともにちょっとだけ大人になった生徒たちが頼もしく感じられました。私はいつも、胃袋にも思い出をつくって欲しいと話しています。いったいどんな思い出を胃袋に詰めてきたか、今度聞いてみたいと思います。
 7月下旬には「天売ウニまつり」が催されます。観光シーズン本番!多くの方々の来島をお持ちしています。

P1020358.JPG京都班別自主研修(鹿苑寺金閣)DSC01567.JPG京都班別自主研修(二条城)DSC00092.JPG清水の舞台DSC00101.JPG地主神社DSC00112.JPG音羽の滝P1020421.JPGはとバス(オー・ソラ・ミオ号)P1020433.JPG東京ディズニーランドP1020480.JPGお台場(フジテレビ)P1020489.JPG帰島

おまけの独り言

IMG_2960.JPGバリアフリーではないぶん、思いやりでカバーしますIMG_2955.JPG築半世紀を超える天売高校校舎 今回は、見学旅行の引率中に駅や空港を利用してしたとき、エスカレーターがどの階段にあるか探したり、なぜ下りのエスカレーターはないのか、エレベーターが非常に使い勝手の悪いところにあるなど、なぜ?っと疑問に思うことがありました。皆さんも、電車に乗っても優先席で居眠りしている人たちに、なぜ譲らないのと思ったことはありませんか。
 駅などのスロープやエスカレーターは、バリアフリーやユニバーサルデザインという考えに基づいて設置されていることが多いと思います。この考えは、前者は障害者・高齢者などの生活弱者のために、生活に障害となる物理的な障壁の削除を行うというものであり、後者は最初から多くの方に使いやすいものを作る設計手法として考案されたものであるということで違いが見られますが、ともに人々が生活しやすい街づくりを進めるということでは同じです。しかし、物や施設などが整備されたとしても、心のやさしさや思いやりがなければ、本当の意味で生活しやすくはなりません。スロープやエレベーターが設置されているから良いというのではなく、使い勝手は良いのかを考え、心のやさしさや思いやりで足りない部分を補っていくことがバリアフリーやユニバーサルデザインという考えを実現していくことになる筈です。学校でも『心』の面を育てていかなければと思います。
 話は変わりますが、前回お話ししたミレニアムは3部作を読み終わりました。機会があれば皆さんもどうぞ。では、今回もたわいのない独り言にお付き合いいただきありがとうございました。

【The soliloquy of the black rabbit of Teuri】


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