校長のつれづれ日記 Episode 37 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

校長のつれづれ日記

Episode 37 オープンスクール!

 今年の夏は、なかなか暖かくならず7月に入っても朝晩ストーブを焚くことも少なくありません。来島する多くの観光客の方々のためにもはやく夏の陽気になってほしいものです。
 今回は、オープンスクールについてです。7月18日(土)・19日(日)の2日間、「天売高校オープンスクール」を実施しました。以前も書きましたが、今年度から天売高校・羽幌町・天売島が一体となって島外からの生徒募集をスタートし、5月から留萌管内、札幌・旭川など道内主要都市の中学校(約150校)に学校概要説明訪問を行いました。今回の参加者は、天売中学校の中学3年生2名と島外の中学3年生2名の4名です。
 簡単に説明します。
 【日程】

1日目 来    島 高速船、天中生合流 
  昼    食 てうり亭
  学校説明会 学校説明、島の自然、校舎案内
   水産実習体験 ウニ缶詰作り体験
  海鳥観察1 ウトウのナイトウォッチング
2日目 海鳥観察2 観光船から
  終 了 式 海の宇宙館
  昼    食 番屋
  離    島 高速船










 学校説明会では、本校の修学スタイルやカリキュラム、水産実習や天売学などの特色ある教育活動、そして、下宿や島での暮らしについて説明をしました。水産実習体験では、天売のキタムラサキウニを使い、ウニ剥きから製缶までを体験してもらいました。その他、海鳥などの自然環境についても見てもらうことができました。参加した生徒たちから「人数は少ないけど楽しそうな雰囲気で良いところがいっぱいある学校だと思った。」や「凄い歴史があってとてもいい学校だと思った。」、「先輩方が温かく、校舎も温もりがあってとてもいい学校だと思った。」という感想が聞かれました。天売高校と天売島のことを少しは理解してもらうことができたようです。
 今回、オープンスクールを実施する上で、羽幌町教育委員会をはじめ、るもい漁業協同組合天売支所、天売観光バス、萬谷旅館、観光船栄丸、海の宇宙館、てうり亭、番屋など地域の方々の協力をいただきました。本当に有り難うございました。
 オープンスクールは終了しましたが、学校説明等は来島される方に合わせて随時実施しますので、連絡をお願いします。日本一小さな学校である天売高校の存在と海鳥と人間が共生する貴重な島である天売島の素晴らしさを知ってください。「天の島で働きながら学び、成長する経験を!」
 ところで話は変わりますが、天売の夏と言えば「ウニ!」。今年も日本一の呼び声高い地元のキタムラサキウニを使ってのウニ缶詰実習の時期がやってきました。今年からは、島の活性化を進める「おらが島活性化会議」と連携し実習を行っています。一番手間のかかるウニ剥きには、7名のメンバーが手伝ってくれました。お陰で過去数年で一番速いペースで作業を進めることができました。今年赴任した5名の先生方は、ウニ剥きスプーンを使い、生殖巣から内臓や汚物・棘を除去するのに苦労していました。きっと来年には、倍くらいのスピードでできるようになっているでしょう。ウニ缶製造で毎年トラブルがあるのが製缶機で、一昨年は缶を送るところが固着、昨年は缶を送るところのチェーンが切れてしまうということがありました。しかし、今年は水産総主任の高橋先生の素晴らしいメンテナンスのお陰で順調すぎるくらい順調に製缶することができました。今年も美味しいウニ缶詰を9月に実施する学校祭で地域の方々に味わってもらう予定です。
 前にも書きましたが、世界一ウニを食べているのはもちろん日本です。ただ、私たちが食べているウニの9割は輸入物だそうです。7月25日(土)・26日(日)は、「天売うにまつり」が行われます。是非、天売島にお越しいただき美味しい日本一のウニを味わってください。


生徒会長挨拶.JPG生徒会長挨拶
学校説明.JPG学校説明
学校見学.JPG学校見学
ウニ剥き1.JPGウニ剥き1
ウニ剥き2.JPGウニ剥き2
実習の説明.JPG実習の説明
観光船(漁船).JPG観光船(漁船)
離島.JPG離島









おまけの独り言

「おまけの独り言37」

 【おまけの独り言37】
○ウトウが……
 天売島を代表する海鳥と言えば、オロロン鳥(海ガラス)とウトウ。オロロン鳥は、前回のつれづれ日記で書いたように関係者の努力で少しずつ繁殖し個体数が増えてきています。一方、ウトウは天売に約80万羽が繁殖のために営巣し、天売が世界最大の繁殖地と言われますが、昨年・今年と魚を持ち帰らなくなったり、巣に戻らなかったりする親鳥がたくさんおり、雛が非常に少なくなっているそうです。天売海鳥研究室で調査している約60の巣のうち、雛が生き残っているのが1巣(7月10日現在)だけだそうです。2年続けて雛がほとんど巣立たないという状況が続いています。これは対馬暖流の流量が少なく、天売沖に餌となるカタクチイワシが北上していないことが原因ではないかと言われています。我々も感じている地球規模での気象の変化が影響しているのではないかと心配になります。来年は、ウトウの餌であるカタクチイワシがたくさん北上してきて欲しいと願っています。
 今回もたわいのない独り言にお付き合いいただき、ありがとうございました。
【The soliloquy of the black rabbit of Teuri】



ウトウの巣穴.JPGウトウの巣穴



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