ウニ町diaryページ17 of 北海道天売高等学校

ページ17☆夏休みが終わり､元気な顔が揃いました｡天高祭に向けて力を結集！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　８月17日(木)夏休み明けの全校集会は、前日に北海道内で起きた高校生の自殺のニュースが流れたこともあり､５名の元気な顔が揃ったことが何ともありがたく､嬉しく感じました。彼らには「命は大切だと何千､何万回言われるより､あなたが大切だ､誰かがそう言ってくれたら､それだけで生きていける。」という言葉を伝え､目の前のあなた方５名は私達にとって、かけがえのない存在であることを訴えました。命が大切なことは当たり前のことなのです。命を自らによって絶ってしまう若者とそのことで悲嘆に暮れる周囲の方々を考えただけで､胸が張り裂けそうになります。未然に防ぐことの大切さと難しさをあらためて感じた日となりました。

　夏休み中に札幌市で保育実習を経験してきた生徒もおり､それぞれに有意義な夏休みを過ごしてきたようで､エネルギーに満ちた元気な表情が見られました。
　夏休み明けの全校集会の翌日は晴天の中､ロンババ海水浴場で炊事遠足が行われました。生徒たちが役割を分担して準備したメニューは､パエリア､豚汁､焼き肉とどれも美味しく出来上がりました。食事を終えた後は､青空の下､海水浴を楽しみました。前日の天高ソーランの練習の後遺症のせいか､泳いでいる最中に足をつってしまう先生が何名かいました。最後に集合写真を撮ったのですが､ちょうどバックには天売港に入港するフェリーが通過するところでした。高速船の軽い汽笛よりフェリーの汽笛の方が哀愁を感じさせ､私は好きです。

　翌日の19日(土)は土曜授業で天売学が行われました。「天売の伝統文化Ⅰ」で昨年に引き続き羽幌オロロン太鼓の会代表の岩崎幸治さんと今年度は桜井学さんが新たに講師として参加してくださり､和太鼓の指導を受けました。初めて叩く生徒も教員も熱心に天高祭で披露する和太鼓を力強く叩いていました。

　天高祭に向けての準備がいよいよ始まりました。生徒はもちろん私たち教職員も頑張ら
なければなりません。天高祭は多くの方々が楽しみにしてくれています。島民を巻き込んでのイベントです。今年のテーマは「Time flies」と決まりました。「日々の短さ。時の早さ。」という意味です。天高祭に向けて長い時間をかけて準備をしてきても､本番はあっという間に過ぎてしまう。しかし､来ていただいた方に最高の時間を過ごしてもらいたいという願いを込めてのテーマ設定です。
　そのなかでも天高ソーランは､目玉の演目です。練習は経験者の２年生が指導係となり､全校生徒と全教員で踊ります。２年目の私は､少し余裕を見せていますが､通しで正確に踊れるかというとまだまだダメです。
　当日は２回目のオープンスクールでもある学校祭見学会も兼ねており､本校に入学を考えてくれている方々も来校します。天売高校のありのままをお見せしたいと思います。

　天高祭が終わると､９月27日(水)に生活体験発表大会支部大会が滝川市で行われます。本校からは､２名の生徒が出場します。７月24日(月)に行われた校内選考会では､甲乙付けがたい結果となり､５名全員に出場して欲しいと思ったくらいの激戦となりました。
　本校からは２年生の三浦さんと１年生の木村君がそれぞれ「後悔しないために」､「小さな革命」という演題で発表します。ぜひとも全道大会に支部代表として出場して欲しいと願っています。私も応援に駆けつける予定です。

　前号でも紹介しましたが､本校を２年間に渡って取材してくださった､北海道大学大学院教育学院の皆さん方がまとめた研究論文が「月刊高校教育９月号」(学事出版)に６ページに渡って掲載されました。「全校生徒５名の超小規模校の挑戦」～地域を支え､地域に支えられている島の高校の姿～というタイトルです。あらためて私達の日々の教育実践がどこを目指しているのかを再確認できる内容です。私たちも大きな勇気をもらいました。文中にもありましたが､目の前にいる子どもに対して先生方がしっかり関わっていくというのが天売高校の大前提です。生徒の姿こそが何よりも答えだと思っています。そのことが評価され､本校を希望する生徒が増えてくれればこの上ない喜びです。島内生にも島外生にも希望してもらえる天売高校でなければならないと思っています。