島めぐり風だよりvol.3 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

島めぐり風だより Vol.3 (2011.6.7)

『天国の島』

 甲子園、花園といえば高校球児やラガーマンが目指す、最高峰の戦いが繰り広げられる球場だ。白球や楕円球を追い、数多くの名試合が行われてきた。未熟だからこそ、様々な番狂わせが起き、球児たちの汗と涙が感動やドラマを生む。
 同様な場所に普門館がある。体育系文化部ともいわれる吹奏楽部に所属している高校生憧れの舞台だ。野球やラグビー同様、支部予選から始まり日々の鍛錬を重ね音楽をこよなく愛する高校生が集団でコンクールに臨み、全道大会そして全国大会と駒を進め普門館での栄冠を目標に演奏する。多くの部員がいる学校では、パートごとの熾烈なオーディションが行われるという。残念ながら北海道では、少子化の影響で、少人数の団体が多くなり全国大会につながる編制を作ることが困難になっている。
 コンクールでは課題曲と自由曲を12分以内で演奏する。審査員は「技術」と「表現」の観点で優劣を決めなければならない。今年の課題曲のひとつに「天国の島」がある。作曲者はかつて天売島で、教壇に立っていたそうだ。ネットで聴いてみると、曲名から勝手に私が想像する曲調や旋律とは大きく異なった。わずか数分の曲であるが、ダイナミックで短い旋律が、時として激しく続く。作曲者が天売にいたのは、さほど長くなかったようだ。その間天売に住む子どもたちに何を教え、豊かな自然から何を得たのかは想像するしかない。
 過日、定時制や通信制に通う生徒たちが集い、日頃の練習成果を競うバドミントン支部大会が開催された。本校からも生徒が参加し、男女個人戦で見事アベック優勝。残念ながら出張と重なり、私は応援に行けなかった。壮行式の日も、ビデオレターで参加する。予算が少なく引率教員は1人だが休日にもかかわらず、担任や引率できない顧問らが5名も島を離れ、はるばる芦別まで応援にいった。仕事を持ち夜に学習し、その上休日返上で練習を重ねたからこその成果に頭が下がる思いだ。夢や希望を忘れず努力を続けることは簡単ではない。練習に結果が伴おうと否と、継続する力がある人はきっと力強く自分の人生を切り開いていくことだろう。
 18、19日は支部代表として全道大会に参加する。島民の期待や注目を追い風に、支部予選で対戦した生徒の分まで持てる力を存分に発揮して欲しい。時として住む者に厳しい風や雨を降らせる自然の中に浮かぶ「天国の島」で育った君たちだから。

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オロロン日誌

遅まきながら桜や梅が満開。イタドリが成長し木々が芽吹き、島は緑が濃くなりました。手袋せずに自転車に乗れ、頬にあたる風が心地よい季節となっています。

フェリーターミナルの後ろには、観光客が利用する土産店や食堂が軒を連ね、その一角にある貸し自転車屋は、島の蒐集家が集めたコレクション館でもあります。本来ならば郷土資料館で展示すべきお宝も。中高年ならニヤリとする懐かしいものが必ずあります。


オドリコソウ.jpgオドリコソウミヤマスミレ.jpgミヤマスミレ八重桜.jpg八重桜


花壇のオロロン鳥.jpg花壇のオロロン鳥旧型デコイ.jpg旧型デコイこれ持ってた!.jpgこれ持ってた!