2011年2月の日記 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

2011.2「いいんです!天売高校ですもの」

 「こんにちは。打合せを始めます」の言葉で始まる、職員打合せ。各係から連絡があり、「そのほかに、連絡ありませんか」と教頭先生が言ったところで、Mi先生が、おもむろに手を挙げ「ところで…校長先生、今日、誕生日ですよねぇ」。「えっ?」、何を言ってるのか、と思いきや、突然「ハッピーバースディー・トゥ・ユー…」の合唱が。矢継ぎ早にMu先生特製のバースディケーキが登場。ローソクの火を吹き消して、ハイ、ポーズ。どっきりで始まった還暦の一日。本当にやってくれます、素晴らしい仲間(役者?)達。Mu先生考案のケーキは、スーパーで買ったバームクーヘンを重ね、生クリームを塗っただけのものだったが、真心が加わっているので、とてもおいしく合格点の味であった。
 幸せな気分で時間が過ぎ、4~5時間目の2年生家庭科は調理実習。前日、家庭科担当のS先生から「調理実習が終わったら、お食事会をするので、材料代だけ収めてください」、との連絡があり、先生方は楽しみに待っていた。調理の途中、様子を覗いて見た。2年生は女子Aさん1名なので、先生方全員分の調理は無謀と思われたが、家庭学習期間に入っている3年生の姉が助っ人に来ていた。姉は小中学校の給食調理員をしながら高校生活を送っていたので、包丁さばきの何と見事なこと。妹が尊敬のまなざしで姉の仕事を見つめていると、「何やってんの、早く、あんたもやりなさい」と姉の厳しい指導。(いいなあ、この関係)S先生も触発され、汗を吹き出しながら(とにかく、汗っかきなのです)、急ピッチで包丁を運ぶ。「これなら、何とか間に合うのでは」、とできあがりを心待ちにしていたが、時間になってもなかなかお呼びがない。待ちかねて職員室へ行ってみると、先生方も首を長~くして待っている。W先生は「これを楽しみに、夕食を抜いている。おなかがすいた~!」母親が作る料理を待っている子どものよう。私は、いったん校長室へ戻って待つことにした。
 しばらくして、ドアをたたく音。「待ってました」、とドアを開けると、生徒のAさんが「校長先生、誕生日おめでとう。料理ができました」、とうれしい一言があり、家庭科室へ案内された。テーブルには出来たての料理が所狭しと、並んでいる。調理実習のテーマは「一汁三菜」とのこと。一汁はネギと卵の味噌汁。三菜とは主菜の餃子と副菜のきんぴらゴボウとグリーンサラダの3品。ひょっとして、我が家の食卓より贅沢か?抜群の味に加えて、空腹な先生方の食欲旺盛なこと。下校時間が過ぎても食事が終わらないので、あきれた生徒は先に下校することに。感謝の気持ちを伝えて、玄関で見送りをした後、さらに食事会は退勤時間を過ぎても延々と続いていた。
 先生方の料理を生徒に作らせるなんて、「それでいいんですか?」「いいんです!天売高校ですもの」

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