2009年4月の日記 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

2009.4「春うらら」

 猫のように鳴くウミネコが空を舞うようになり、天売島にもようやく春が訪れようとしている。校長室の窓から見える日本海のなんと穏やかな事。ひと月のほぼ3分の1が欠航となる冬の海とは別人の顔を見せている。心が浮き浮きするのはこのギャップのせいであろうか。どの学校もそうだが、とにかく3月、4月は多忙を極める。3月は卒業式から始まり、異動する先生方を見送って年度が終了する。そして、新任の先生方を出迎え、新年度が始まる。初めて島で異動する先生方の見送りと出迎えを体験した。

 島の見送りは哀愁に満ちている。フェリーターミナル前での盛大な出発式。今年は札幌の大学に進学する卒業生も一緒に見送ることになり、「いつも先生と生徒は一緒」の本校を象徴するシーンであった。離任者は五色の紙テープを手にいっぱい握り締めて乗船する。出航するまでの時間、紙テープで結ばれた島民との思い出を噛み締めながら眼を涙で潤ませている。出航の汽笛が鳴り、思い思いの別れの曲が流れる中で、船は岸壁を離れていく。防波堤を抜け、船が徐々に小さくなるまで手を振り続ける。これほどの感動的な別れは、離島でなければ味わえないであろう。

 そして翌日、派手な横断幕による出迎えと、記念写真。「笑って、はいチーズ」。この切り替えの早さも面白い。教職員総動員で荷降ろしを行い、昼食会。島の食堂は観光シーズンにならなければ開かないので、民宿にお願いして昼食を用意してもらう。締めくくりは島内の観光名所めぐりで着任者の一日は終わる。心を込めたおもてなしが本校の自慢である。初任地に向かう途中、乗客3名の一両編成のディーゼルの中で、「果たしてどんな風に、迎えられるのだろう」と、胸をわくわくさせながら駅に降りてみると、誰もいなかった事に愕然とした当時が思い出される。

 5名ずつの先生方を送り迎えして新たな陣容が整い、いよいよ平成21年度がスタートする。スタッフの半数が交代し、職場の雰囲気も大きく変わるものと思う。どんな一年になるのであろうか。ともかく、「校長の独り言」の話題に事欠かない、楽しい一年になって欲しいものである。

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