2009年12月の日記 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

2009.12「天高チョボラで餅つき隊」

  着任して以来、天売高校は「島の財産」「島と共に歩む」を念頭におきながら、教育活動の推進を心がけてきたつもりである。とりわけ、島の高齢化が進む中で、高校の持っているエネルギーを島民の皆様にお役立ていただければ幸いと、今年も島内の各種行事に積極的に参加してきた。ボランティア活動などと、たいそうな気持ちではなく、ちょっとしたお手伝い、「チョボラ」の精神で島民との交流を深めている。12月に入り、高齢者デイ・サービスのボランティア団体「ひまわりの会」の代表者の方から、「師走恒例の餅つき大会があるので、高校の先生方に手伝ってもらいたい」、との願いがあった。当然、「喜んで、協力します」と即答。強力・非力(?)を交え3名の先生が選抜され、「餅つき隊」を編成。師走の風物詩であった餅つきも、現在は、既成品や器械で作る餅がほとんど。失われつつある日本の伝統文化が、天売にはまだ生きている。最初に島の方が模範演技。まず、蒸しあがったもち米を臼に容れ、杵でこねるように米粒を細かくつぶす。この作業の出来、不出来が仕上がりの良し悪しを決めるとの事。ほどよくこねてから、いよいよ先生方の出番。3人で交代しながらの餅つき。熟練が必要な合いの手はもちろん島の方。誤って手をついてしまいそうで、杵を上まで持ち上げられない。そうなると、ただ力任せで杵を振る。気がつくと、周りに野次馬が。「先生!腰が入ってないよ」「フラダンスやってるのかい?」などとはやし立てる。野次にも負けずひたすら杵を振るう。最後の仕上げの段階で、私が登場(校長特権)。10突きほどして完成した餅は、待ち構えているお年寄りのところへ。世間話をしながら、手際よく丸餅が作られていく。「ちょっと、硬すぎるよ。もっと、やわらかく!」と評価は厳しい。それでは、もうひとふんばり。先生達がついている姿を見て、「どれどれ、一丁やってみるかい。」と見物していた80歳の方が立ち上がる。「矍鑠とした」と言う表現がぴったりの年季の入った力強い餅つきに、ただただ見惚れる「餅つき隊」であった。「百聞は一見に如かず」と言うが、おかげさまで、餅つきの極意を知った先生方は見違えるほど、軸がぶれない、腰の入った餅つきが出来るようになった。約1時間半、5臼のもちがつき上がり、餅つき大会は終了。お礼に、自分達でついた出来立ての餅をいいただき、手のひらにできたマメを見ながら会場をあとにした。10日後、職員室で「餅つき隊」の先生が「餅つき以来、なんか腕が痛いんだよね。」「実は、私も・・・・」

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