2010年4月の日記 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

2010.4「天売島クリーン大作戦」

 海鳥と人間が共生する天売島は、島全体が国定公園となっている。そのため、環境保護、環境美化の精神がこの島には根づいている。観光客に気持ち良く島の自然に接してもらうため、春になると島民こぞって環境整備に精を出す。小中高生が連携して行う島内清掃活動。主に、島民が居住する区域を綺麗にする。島民有志で構成する「天売の自然と親しむ会」が行うボランティア活動。主に、遊歩道の設置や草刈り、清掃などを行う。また、高校生単独でも遊歩道のポイ捨て空き缶拾いが行われる。そして、我ら「天売高校クリーン隊」の登場。毎年、新しく天売高校に赴任された先生を歓迎するため、島内一周を行っている。その際に、島民が居住していない区域、つまり、海鳥が生息している区域の清掃活動を行っている。この日は朝から晴れわたり、少々肌寒いものの絶好のハイキング日和となった。午前9時半に学校前を出発。普段、何気なく散歩している道であるが、ゴミ拾いの目的が加わると、空き缶、ペットボトルなどが矢継ぎ早に目に飛び込んでくる。今年赴任した先生も、景色を楽しむ間もなくゴミを拾っている。その姿に、この島で生きていくエネルギーを肌で感じる。嬉しい限り。行程の3分の1ほどの距離にある名勝「赤岩」で一休みした時には、役場支所が提供してくれたビニール袋は、すでに一杯になっていた。しかし、ここを過ぎるとゴミが極端に減り、景色を楽しむゆとりが出てきたので、少し横道にそれてみた。いつも気になっていた崩れかけのコンクリートの建物。建物の中には無線機のような物があったため、通信所の跡ではないかと想像したが、旧灯台であることが後日、判明。確かに、島のピークを指す三角点がそばに埋まっていた。また、その近くには「海馬(とど)塚」があった。そう言えば聞いたことがある。島周辺の海で海馬が暴れ回り、漁網が破られるなどの被害が出たため、困り果てた漁師が自衛隊に海馬の駆除を要請したとのこと。たくさんの海馬が漂う場所には舟で近づくことは出来ず、レンジャー部隊の自衛隊員が断崖絶壁をザイルで下り、海岸へ降り立ったそうである。その場所が此処だったのであろう。その間、居留していた小屋が今も残っており、遊覧船に乗ると海側から見ることが出来る。その際に駆除された海馬を供養する「海馬塚」が建てられたのであろう。それでは、海馬の霊を弔いつつ、クリーン作戦を再開。出発から約2時間半、最終地点のフェリーターミナルに到着。みんなで拾って、拾ったゴミと一緒に記念撮影。島は綺麗に整えられ、食い処「てうり亭」や「番屋」もオープンし、観光客の受け入れは準備万端整った。あとは万客万来を待つばかり。どうぞ、海鳥の楽園天売島へお越し下さい!お待ちしております。

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