2010年11月の日記 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

2010.11
「天高生の卵がやって来た!そして…」

 今月の10日、中学生を対象とした体験入学を実施した。本校では隔年で授業体験と水産実習体験を行っている。今年は水産実習を体験してもらうことになり、鮭(サケ)の缶詰づくりに挑戦してもらった。体験するのは中学生が4人と今年から英語指導教員として町教委に派遣されたALT。ALTは英語指導で来島し、当日帰島する予定であったが、時化でフェリーが欠航となり、足止めとなったための飛び入り参加。
まずは、私から歓迎の言葉。本校の水産実習の歴史を簡単に説明し、本日の活動場所である水産実習室の施設を紹介。「最も特色のある水産実習を満喫して、本校への進学の意欲を高めてもらいたい」と挨拶。担当の先生から作業要領の説明があり、鮭の三枚おろしに挑戦。島の子どもなので、カレイなどの小魚をさばいた経験のある生徒もいたが、鮭をさばくのは全員初めて。高校生の指導を受けながら、慎重にマキリと呼ばれる包丁を身に入れていく。その様子を、「そう簡単にはいかないだろうな」と余裕(?)を持って見守る私。しかし、さすが島の中学生。包丁さばきは見事なもの。三枚におろされた身を見ると、先月、私が行なったものよりも遙かに綺麗であった。ショック…否、否、素晴らしい…くやしい…否、否、心から拍手を送る…う~ん、複雑な気持ち。ふと横を見ると、ALTが悪戦苦闘している。そもそも外国人が魚おろしに挑戦するとは見上げたもの。このALT、男性、21歳、カナダ出身、オタワ大学生物学専攻。なるほど、生き物を扱うのは慣れているらしい。しかし、包丁さばきはおぼつかない。おろした身を手でわしづかみにするので、身はぼろぼろになる。私よりも不器用では…思わず笑みが(失礼)。なんだかんだで、用意された鮭はすべて三枚おろしにされ、作業終了。中学生は「難しかったけど、ちゃんとさばくことができて楽しかった」などの感想を述べていた。時間の関係で、あとの作業は高校生へバトンタッチ(後日、完成品は中学校に届けられた)。中学生は校舎に入って、学校説明会。教務部長から教育課程、進学講習、各種行事等の説明を受け、食い入るように聞く中学生。本当に島の子ども達の話を聞く態度には感心する。話し手に視線を合わせる、その目の輝きにはほれぼれする。この愛らしい天高生の卵たちが全員入学して、見事にふ化して成長し、天売高校の歴史と伝統を守り続けてもらいたい。その願いを最後に伝えて無事、体験入学は終了した。そして、数日後、2回目のスモークサーモンづくりが行われた。前回のリベンジ。「絶対うまくさばいてみせる」と意気込んでマキリを鮭の身に入れる。一尾目。骨を感じながら…あれ、感じない、でも前回の反省、軌道修正は行わず、最後までマキリを進めた結果、私としては上出来(と思う)。二尾目。骨を感じながら…感じる、感じる…最後まで感じる~っ!最高の出来に、思わずガッツポーズ。周りの先生も賞賛。ところが、後ろから「先生、すっごくきれい!見事!」の声が。今年来たばかりのW先生の三枚おろしに対する感嘆の言葉。どれどれ、私がおろした身を持っていき、比較してみると…負けた。がっくり、「くやしい~っ!」です。 

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