2011年1月の日記 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

2011.1「新たなる船出を前に」

 あと2ヶ月で、36年間の現役生活に終止符が打たれる。ともかく、「良く持ったもんだ」が、偽らざる実感である。先日、教職員、保護者、同窓会、振興会の皆様による激励会に招待され、楽しく、思い出に残るひとときを過ごさせていただいた。正月明け、先生方は私をのけ者にして、密かに会議を続けていた。「多分、激励会の準備であろう」と思いつつ、「面倒をかけて申し訳ない。でも楽しみ。」と日に日に高揚する気持ちを押さえるのに一苦労。そして、当日。サプライズ、サプライズの連続で笑いが絶えず、涙腺がゆるみっぱなしの大宴会となった。それでは、サプライズの一端を紹介する。

その1:船出を祝う大漁旗

祝宴前に参会者の皆様から記念品の贈呈があった。早速、紐解いてみると、中には大漁旗が。担当者が、「最も天売島らしいもの」と考え抜いた結果の贈り物。旗には私たち夫婦の名前が入り、宝船の絵柄が描かれている。振り返れば、天売3年間の生活でたくさんの宝物をいただいた。その宝物を船に乗せて、第2の人生を力強く生き抜きたいものだ。この大漁旗のデザインは、前月、このページで紹介した在校生の漁師、R君がアドバイスをしてくれたとの事。ありがとうR君。

その2:なぜ、この写真が?

36年間の私の経歴をご丁寧にスライドで紹介してくれた。若々しい頃から、現在に至るまでの写真がスクリーンに映し出される。懐かしいなあ~、と見ていると・・えっ、どうしてこの写真が?実は本校のS先生とは不思議な縁を持っている。S先生は本校で3校目になるが、その全てが私との関わりを持っている。1校目は私と入れ替わり。当時、私は教頭で異動の件でS先生と電話で会話したそうだ(私は忘れていた)。2校目は、私が教諭として10年間勤務していた高校である。冬休み中に、昔の同僚と連絡を取って私の写真を入手したそうである。ご面倒かけました。

その3:まさかのビデオレターとメッセージ

30代の時に、同じ学年の担任を持ち、理想の学級経営を追求した後輩(S先生の先輩にあたる)からのビデオレター。当時を思い出し、涙腺が一番ゆるんだ瞬間であった。さらに、全校生徒からのビデオレター。本当に、年寄りを泣かせる困った連中です。そして、天売高校で2年間生活を共にし、現在、十勝管内の高校に勤めるS教諭からのメッセージ。生来の、お調子者(失礼?)、慌て者ゆえ内容に間違いがあったものの、気持ちは十分伝わってきた。みんな、本当にありがとう。

その4:子ども達からの贈り物

何と、子ども達3人からのビデオレター。正月に長男がビデオカメラを買いに行ったことは記憶にある。このために買ったとは夢にも思わなかった。この事を知っていた妻が言うには、みんなで楽しくビデオ撮りをしていたそうである。そして、贈り物。「赤いちゃんちゃんこ」かな、と思いきや、「緑色のダウンジャケット」。「ちょっと、若いんでないかい?」と電話でお礼を言うと、「お父さんには、いつまでも若くいて欲しい」って、泣かせるねえ。しかし、この企画で一番号泣していたのはO先生。この仕掛け人であり、長男と電話でやりとりをしたらしい。ご苦労様でした。

このほかにも、「校長クイズ」なる企画があり、私に関する難問、奇問にPTA、同窓会、振興会代表の回答者が必死に答えたり、ぼけたりで、会場には笑い声が鳴り響いていた。教頭先生から最初に激励会の話を聞いたときには、「滅相もない」と、お断りしようと考えたが、これも人生の節目と思い、お言葉に甘えることにした。新たなる船出を前に、多くの人たちの思いやり、真心に触れることが出来、こんな幸せなことはない。心置きなく、第二の人生に船出することが出来る。それでは、「いざ、出航!吉田丸」…でも、あと2ヶ月ありますので、残り宜しくお願いします。

IMG_5517.JPGIMG_5516.JPGIMG_5585.JPG船出を祝う大漁旗枝幸時代.jpg初任校での吉田校長ビデオメッセージ.jpg元同僚からのメッセージビデオメッセージ2.jpg家族からのメッセージIMG_5536.JPG学校長早押しウルトラクイズIMG_5587.JPGクリックすると拡大します。
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