華麗なる大型鳥 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

第9話 華麗なる大型鳥

 このコラムも最終回になります。どんな地域と環境の中に天売高校が存在しているかを知ってもらうために始めたコラムです。続けられるだろうかと不安の連続でしたが、前浜に来たケイマフリとの出会の時位から、やっぱり始めて良かったと思えるようになりました。私も4月からこの島を離れますが、おそらくこれから再びこのようなコラムを書くことはないでしょう。書いてみたいという感情を奮い立てさせてくれるほど、貴重で稀な環境にある素晴らしい高校です。
 最終回は比較的大型の鳥の紹介します。

<映像1> 黒崎海岸のウミウ(240fps)
 天売に来てウミウが頻繁に飛んでいる様子を見て、そのなんとも変わった姿に、「天売に来たんだなあ」と実感したものです。でもその後、結局ウミウは数が違うにしろ留萌の海岸にもいたし、なんと実家の檜山の海岸にもいたことがわかりました。普段の生活の中で鳥をじっくり見たことなんかなかったので、今までいるのに気がつかなかったのです。ウミウって羽の付け根が体の少し後方にあり、頭部がスラーッとしてなんか戦闘機か今は無きコンコルドのような姿してませんか?スピードもカモメのようなグライダーではなく、常にしっかりはばたいて推進力があり速いですよ。僕は天売で最もかっこいい鳥だと思います。


<映像2> 前浜の港でエサ捕り(120fps)
 前浜の港に入り込んできたウミウです。珍しく港の中の目の前で餌取りをしていたので、超アップで撮ることができました。潜る姿もなんか動きが鋭く何をやっても一級品ですね。
 ウミウは冬場は数を減らすものの周年島にいます。全長84cm、1963年に100羽に減ってしまったが、1985年の調査では1500羽となり少しずつ増加傾向か。


<映像3> 冬の黒崎海岸で 美しい着地をする鳥(120fps)
 果敢に飛ぶ潜るのウミウですが、これだけ素早い動きをして実は着地するときはとってもしやなかで華麗なのです。映画で見る翼竜のようにフワフワしながら、場所構わずゆったりと着地します。ウミウに比べたらウトウの着地なんて、同じ鳥なんだろうかというくらい超下手な感じです(だから空中でウミネコにエサを狙われにくいということはあるでしょうが)。ここは冬の黒崎海岸の岩礁ですが、何処にでもピンポイントで止まれます。滑る氷の斜面に着地してしまうこともありますが、羽を休めず浮力を稼ぎなんとその上をすたすた歩いて安定した位置に移動します。なんとも余裕のある着地です。


<映像4> 秋の大集団(120fps)
 ウミウは通常単独か2羽〜6羽位の集団で飛んでいる気がしますが、夏休みが終わる8〜9月頃はさらに多数の大集団になっている様子をよく見かけました。繁殖が7月には終わるようなので巣立った若鶏が増えているんでしょうかね?大集団に他の集団が、途中から吸収合体しているようにも見えます。
 ビデオをみると先頭は何か叫んでいるように見えます。実際は羽のはばたきのような低い音は聞こえますが、鳥によくありがちがちな「ぎゃあぎゃあ」というような泣き叫ぶ声は聞こえません。集団を低音の地味な声で牽引しているのでしょうか?


<映像5> チュウサギ(240fps)
 アオサギというのもいますがチュウサギの方が珍しいようなので、そちらを紹介します。天売にいるのは5〜6月頃と非常に短い期間です。普段は沿岸部の草地にいますね。黒崎海岸の道路淵でランニング中ばったり会うこともありました。2010年はパークゴルフ場にいたこともありましたし、2011年は中学校グランドや黒崎海岸近くの草地でつがいでいるのをよく発見しました。臆病で人に会いそうになると必ず気づかれないように、草の陰に隠れるような行動をとります。
 江別市で本州から逃げ出してきたペリカンを見たことのある私としては、どうしても白い色のこの形は仲間に見えて仕方ありません。


<映像6> オジロワシ なんですかねえ??(120fps)
 オオセグロカモメは水浴びが好きなようで、暖かい時期はいつも水辺にいます。海なら港の中の船の乗り上げ場のような浅瀬か、淡水なら黒崎海岸近くの砂防ダムによくいますね。砂防ダムは泥でもつくのか飛び立つ時にお尻フリフリするような変な飛び方をします。それにしてもダムから沢山のオオセグロカモメが出たり入ったり、騒々しく何をしてるんですかねえって、思ったらビデオの最後を見て理由が分かったような分からないような・・・。何が起きてるんですかねえ?


<映像7> シノリガモ(120fps)
 夏もたまにいるらしいですが10月〜3月と港に集団でいます。フェリーが就航する時に逃げ出す場面を見ることができると思います。これは港の燈台近くの岸壁から撮ったものです。オスはなんとも派手な色で、北方領土のような未開の地にいそうな鳥ですが、個体数は結構多いですねえ。いるところにはいるもんですねえ。模様が派手すぎて最初はどこが目なのかよくわかりませんでした。


<映像8> やったぞ!ヤツガシラ(通常撮影)
ついに最終回の最後の最後に数年夢見ていた鳥の映像をゲットしました。この鳥は天売では3〜4月によくやってきます。雪解け直後の地面にいるミミズのような虫を狙っているようです。雪の多い少ないによって、その年いつやってくるかが変動します。今年は10年に1度の大雪だったので殆ど諦めて、転勤による引っ越しのためハイスピードビデオカメラを段ボールにしまっていました。フェリーの欠航により出発日が1日ズレた当日の朝。なんと地元の人からの目撃状況。とっさに学校にある買ったばかりのビデオカメラを持って出動すると、ヘリポート付近の芝の上にいました。最後の最後にやったという感じです。