令和元年度卒業式式辞 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

令和元年度 卒業式式辞

 長い冬も終わろうとしています。ここ天売島にも、やわらかな春の日差しが感じられる季節となりました。
 この春の佳き日に北海道天売高等学校 第六十一回卒業証書授与式を、挙行できますことは、誠に光栄であり、大きな喜びにたえません。心から感謝します。
 ただいま、卒業証書を授与しました木村研太くん、三品拓人くん、卒業おめでとう。在校生、教職員一同、心から祝福いたします。
 本校は、町立夜間定時制 普通科の学校として、これまで多くの有為な人材を社会に輩出し、全道・全国各地で活躍しています。
 君たち二名が加わり同窓生は四百三十名となりました。
 平成二十七年に生徒募集を全国に広げて、二年目に札幌から研太くん、拓人くんが入学してくれました。中学まで島外で育った二人が、縁あって天売の地で出合い同級生として高校生活を送ることになりました。研太くんは、小学生の頃から天売には「宇宙塾」で何度か訪れ、顔見知りもでき、入学しても心配は無いと思っていたそうです。 拓人くんは、勉強嫌いの自分を受け入れてくれる学校を探し、本校のオープンスクールや天高祭に参加して、自分の行く学校はここだと決めたそうです。
 しかし、実際親元を離れて、生活環境が違う天売での一年目は、学校生活よりも日常での生活や仕事の面での悩みや苦労があり、同じ下宿でもお互い、気まずい関係で会話も少なかったそうです。 二年生になり、島にも仕事も慣れ、個室のある新しい寮での生活は快適で二人の距離も縮まりました。新入生を迎えると、今度は先輩としてどう接したらよいのか、新たな戸惑いや不安ができました。優しく接したい、頼りにされたいと思う反面、天売高校で受け継がれた先輩たちの教えを、後輩たちに伝えるため、厳しく接しなければならない場面もあったでしょう。三年生になり、後輩も7人に増えました。君たち二人がやんちゃな後輩たちをまとめ、サポートしてくれたお陰で、島の暮らしに不慣れな彼らたちがどれほど頼りにし、励まされ、助けられたことでしょうか。
 君たちは、働きながら厳しい環境に耐えて三年間、学業に励み、職場でも頑張っている姿をよく見かけました。嬉しい評判も、耳にしました。仕事を終えてからの学校は、決して楽ではなかったと思います。睡眠時間も削られ、疲れも抜けないまま、学校行事に取り組んだこともあったでしょう。しかし、君たち二人は、途中で投げ出さず、最後まで努力し、校訓『克己』の精神のもと、立派に成長してくれました。
 今、この場にいる二人の表情は、自信に満ちあふれています。
 研太くんは天売高校でしっかり勉強したという「努力」と無事卒業できたという「自信」、拓人くんは人とコミュニケーションが取れるようになったという「努力」と三年間部活を頑張ることができたという「自信」。この「やり遂げた努力」と「積み重ねた自信」により、とても光り輝いて見えます。自分の持つ可能性を信じ、勉学はもとより天売学、生徒会行事、水産実習、生活体験発表や、定体連バドミントン大会などで素晴らしい成果を残し、歩み続けた三年間は、君たちの素晴らしい宝物となりました。それぞれの「努力」と「自信」が実を結んだからこその財産です。大切にしてください。
 今後は、後輩たちが良き伝統を引き継いで、魅力ある天売高校に、より一層の磨きをかけ、発展させてくれるでしょう。
 私から、次の言葉を贈ります。  「努力できることが才能である」これは、元プロ野球選手の松井秀喜さんの言葉です。「夢」や「目標」を実現するためには努力が大切だ、ということは誰でも知っている。しかし、努力の重要性は知っていても、さまざまな困難や、辛さや苦しさに負け「努力」することを諦めたり、逃げてしまうことが多い。しかし、松井選手は「努力をすることが才能である」と心に刻み「努力」の大切さを実感し「夢」や「目標」に向かって諦めずに前に進み、夢を実現したそうです。人は「努力」を続けることで、挫折を乗り越える力や逆境に強い力が身につきます。そして「夢」や「目標」を実現することができるのです。「夢」を実現するためのコツは、無理をせずに一歩ずつ階段を上がっていくことです。夢に向かって進むためには、夢と呼べる大きな目標だけではなく、「今年の目標、今月の目標、今日の目標」と、まずは身近な目標を定めて取り組むことです。そして、この身近な目標を一歩一歩、達成することが大きな夢の実現につながります。努力することから逃げないことが「未来」の自分を作る力だと思います。
 研太くん、拓人くんも君たちの大きな「夢」に向かって、まずは身近な「一歩」から始めてみてください。
 結びになりますが、今まで卒業生並びに本校の教育を支えていただいた全ての皆様に、卒業生と供に、厚くお礼申し上げます。
 木村研太くん、三品拓人くん。もう一度「卒業おめでとう」と言ってお別れします。卒業後、10年、20年と年を重ねるごとに、自分の人生の原点は、この天売島での生活、天売高校での学びにあったと思ってくれることを信じて、私の式辞といたします。

                                                 令和二年三月二日
                                                 北海道天売高等学校長
                                                          蓮 見 知 之

 保護者の皆様、お子様のご卒業誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。また、皆様には本校の教育活動にご理解をいただき、遠距離にもかかわらず何かとご協力、ご支援を賜りましたことに改めて感謝申し上げます。
 卒業した2人からは、この後、三年間の感謝の気持ちが伝えられると思います。
 2人の晴れの舞台の日でしたが、新型コロナウイルスの感染防止のための処置として、急遽このような形での卒業証書授与式となってしましましたことを、深くお詫び申し上げます。

☆校長通信 『生徒全員主人公 9ウニだより』☆
蓮見知之校長(H30~)のコラム