平成30年度卒業式 式辞 of 北海道天売高等学校

北海道天売高等学校 定時制普通科

校長「平成30年度卒業式 式辞」

 長かった厳しい冬の寒さも和らぎ、ここ天売島にも、うららかな春の訪れが感じられる今日の佳き日に、ご来賓、並びに保護者、地域の方々を多数お迎えし、平成三十年度 北海道天売高等学校第六十回卒業証書授与式を挙行できますことを、教職員を代表し、心からお礼を申し上げます。
 保護者の皆様方には、お子様が本日晴れて本校を卒業し、それぞれが新たな「道」を見つけ、歩みを始めましたことを、心からお祝い申し上げます。
 本日は、誠におめでとうございます。
 ただいま、卒業証書を授与しました菅原夏夜さん、三浦玲奈さん、宮地 司くん、卒業おめでとう。
 在校生はもとより、私ども教職員一同、心から祝福いたします。
 本校は、昭和二十九年に勤労青少年に高等学校教育の機会をと、開校し、町立夜間定時制課程 普通科の学校としてこれまで多くの有為な人材を社会に輩出し、全道・全国各地で活躍しています。
 同窓生は、あなたたち三名が加わり四百二十八名となります。
 平成二十七年に生徒募集を全国に広げ、地元からは玲奈さん、札幌からは夏夜さん、そして東京からは司くんが入学してくれました。
 中学まで別々の地で育った三人が、天売の地で出合い同級生として高校生活を送ることになりました。
 天売っ子の玲奈さん。島外からの同級生ができ、うれしさ反面、どう接するか、とまどいもあったことでしょう。
 札幌から親元を離れて来た夏夜さん。
 寂しさや不安もあり天売の生活に慣れるのにはかなりの時間がかかったことでしょう。
 全国募集で東京から来てくれた司くん。慣れない雪国での生活や、年長ということで、何かと頼りにされプレッシャーも多かったことでしょう。
 その三人が、五月の定体連までには、すっかり打ち解け、良い関係が築けたと聞きました。
 二年生になり、三年生不在のなか、受け継がれた先輩たちの教えを、後輩たちに伝えるため、厳しく接する場面もあった事でしょう。
 その反面、思いやりにあふれ、彼らをしっかりサポートしてくれたお陰で、島の暮らしに慣れていない後輩たちがどれほど頼りにし、励まされ、助けられたことでしょうか。
 君たちは、今までの諸先輩方と同様、働きながら厳しい環境に耐えて三年間、学業に励みました。職場で頑張っている姿を見たり、嬉しい評判も、よく耳にしました。仕事を終えてからの学校は、決して楽ではなかったと思います。睡眠時間も削られ、疲れも抜けないまま、学校行事に取り組んだこともあったでしょう。しかし、君たち三人は、途中で投げ出さず、最後まで努力し、天売高校生としての本分を全うしてくれました。
 本日、この場にいる三人の表情には、光り輝くものを二つ見いだすことができます。一つは「やり遂げた努力」であり、もう一つは「積み重ねた自信」であります。自分の持つ可能性を信じ、勉学はもとより天売学、生徒会行事、水産実習、生活体験発表や、定体連バドミントン全道大会出場など素晴らしい成果を残し、歩み続けた三年間は、君たちの宝物となりました。それぞれの「努力」と「自信」が実を結んだからこその財産です。大切にしてください。
 今後は、在校生が良き伝統を引き継いで、魅力ある天売高校に、より一層の磨きをかけ、発展させてくれることを心より期待します。
 これから三人は札幌・姫路・東京と別々の大学・短大に進みますが、君たちが目指す目標に向かって歩んでください。
 私から、次の言葉を贈ります。
 「今を受け入れ、今を超える」というものです。
  この言葉は、 日本を代表する車椅子アスリートの土田和歌子選手の言葉です。
 人は誰でも夢や目標を持っている。そして、それに向かって一生懸命に取り組み努力する。しかし、どうしても途中でうまくいかなくなってだめになることがある。そんな挫折を経験した時には、どうしても誰かのせいにしたり、もうやめたと、諦めてしまいがちになる。しかし、そこで気持ちを入れ替え「自分は意味があってここにいるのだ」「試練は苦しみではなく人生を好転させるもの」「今の現状を受け入れなくては前に進めない」「目標があれば、全ては乗り越えられる」。挫折してもまた、新たな目標を立てて努力する。そういう心の強さを持ってください。
 君たちが、これから生きていく中では自分が夢や目標としていたことが必ずしも思い描いていたとおりにうまくいくわけではありません。むしろ、うまく行かない方が多いかもしれません。そんな時は、この言葉を思い出して、希望を持って前に進んでください。
 卒業生の保護者の皆様、本日は、誠におめでとうございます。
 本日のお子様の凛とした姿に感慨もひとしおのものがあろうかとご拝察いたします。これまでのご苦労に対し、心から敬意を表します。
 皆様のご理解のもと、本校の教育活動に対し温かく見守っていただき、また各種行事の際には、多数の皆様にご来校、ご協力いただきますとともに生徒並びに教職員に温かいお心遣いをいただきましたことを教職員一同心から感謝申し上げます。
 終わりに、卒業生三名の門出を祝し、ご臨席を賜りました、ご来賓並びに地域の方々のご厚情に感謝申し上げるとともに、ご健勝をご祈念申し上げ、式辞とします。

平成三十一年四月九日
北海道天売高等学校長
     蓮 見 知 之